フジ・テレビのキム・ヘギョンさんインタビューの真相
渡部亮次郎
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横田めぐみさんの子供なるキム・ヘギョンさんへのインタビューでの涙がひと
しきり話題になった。新聞では今まで特に北朝鮮に友好的な姿勢を執ってきた
朝日と毎日、テレビは非友好的である産経系列のフジTV。とくにフジは産経と
の分断をねらった懐柔策を北がとってきたのだろうと推測してみせる訳知りが
新聞やテレビで勝手に解説している。
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ところが真実は違う。フジは元北朝鮮国籍の女性記者が独自ルートでのアプロ
ーチだったことがわかった。
ルートを開いた女性記者は小川美那さん。東京外語大学の朝鮮語科の卒業者。
フジTVでは橋本さんの頃の首相番記者を経て現在はニュース番組報道2001
のディレクター。これまでで最も話題になったのは今は外務省領事移住部勤務
の外務官僚との結婚披露宴を1999年3月に帝国ホテルで政財界から269人もの賓
客を招いて派手にやりながら、すぐに離婚したこと。北朝鮮系の母親が茨城ロ
イヤルゴルフクラブ〔その後破産〕の経営者で故・梶山静六氏の後援者だった
ことから各界に顔が広かったようだ。パチンコ関係の会社を経営している父親
も北朝鮮系だが、早くに離婚したので、美那さんは母親に育てられ、学生時代
は日本国籍ではなかった。
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小川記者は自らの出自を表に出して金政権との独自のパイプ作りに成功。キム
・ヘギョンさんとのインタビューをものにしたのである。とはいえ、実力のあ
る母親の尽力で出来たというのが真相らしい。伝えられるところでは、朝日も
毎日もそれぞれが独自ルートでインタビューの約束を取り付け、約束の時間に
行ってみたら3社一緒のインタビューだったという。
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小川記者の元夫は外務省経済局におり、媒酌人が当時の大島正太郎局長夫妻だ
ったことなどから、今度のインタビューに関係したのではないかとの噂が流れ
たが、今のところは確認できない。
北朝鮮は、日本の政治家やマスコミ人士の扱いには中国とは一味異なった強引
さがある。私の外相秘書官時代にも外務省に大臣秘書官と顔見知りの朝鮮総連
の幹部が役所に訪ねて来て朝鮮人参酒を置いて行った。後で解いてみたら大臣
あての総選挙の陣中見舞いとして万円札で現金100万円が出てきた。びっくりし
て東京・九段下の朝鮮総連に件の人物を訪ね、直接返還して事なきを得たのは
いいが、外務省に帰ってきたら、大臣警護官が本省からの連絡で、秘書官の総
連訪問を既に知っていたので、やってるね、ちゃんと(監視を)と安心した。
と、同時にたった100万円かとも思ったが、今考えれば、貧しいあの国としては
1億円ぐらいの気持ちだったのかも知れない。今から20年以上昔のことだが、
荒っぽくて大胆なことをする人たちだ。
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今回も日本のメディア各社は平壌への支局開設先乗り競争に暇がない。同様に
事件に関する如何なる些事にも激しい競争を演じている。当然かもしれない、
資本主義に居る限りは。支局競争は今のところ共同通信、朝日新聞、NHKが
第一グループに居るといわれてきたが、そんな中での朝日、毎日とフジの抜け
駆けだったので、関係者特に読売と日経、NHKを驚かせたのである。
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情報通は「要するに北に外務省とフジが乗せられたのさ」というが、北と外務
省が一緒になって、日本の世論を鎮静化ねらっての大プロパガンダ作戦の一環
だったと考えられないことも無い。
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しかし、またもや国民の大反発。北も外務省もなぜ、かくも世論の読み誤りを
するのか。外務省は昔からだが、国民をあっという間に一つに束ねてしまうテ
レビ時代というものの到来を、未だに理解できていない為じゃなかろうか。