聡明で誇り高きブリヤート娘たち(再掲)   古沢襄


日本人の遺伝子には北方系と南方系の「二重構造モデル」がみられるという。日本犬の遺伝子にも「二重構造モデル」があるというのは興味深い。およそ一億二〇〇〇年から一億三〇〇〇年前にシベリアのバイカル湖周辺にあったブリヤート人が地続きのサハリン、北海道を渡って日本にやってきた。その数は七〇〇〇人前後という推定値がある。

ブリヤートとロシア種の混血娘

■札幌ラーメンよりも博多ラーメンが好き

ブリヤートは古代トルコ人とモンゴルの混血種である。オリエント文明の影響を受けた先進的な技術に恵まれた民族といえる(護雅夫 古代トルコ民族史研究)。司馬遼太郎はシベリアの旅をした時に、通訳としてついてくれたのがウラジオストックにある極東大学の日本語学科の女子学生だった。

長身で涼しげな目をしたブリヤート娘だったが、聡明で誇り高き性格に驚嘆している(ロシアについて 北方の原形)。私も二度、シベリアの旅をしたが、通訳についたイルクーツク大学の日本語学科の女子学生がブリヤート娘だった。

富山大学に留学の経験があるブリヤート娘だが、まさに司馬遼太郎がみた聡明で誇り高き性格そっくりであった。もっと美しい女性だったと思っている。白系のロシア人ポーターを厳しく叱責する様を何度かみたが、同じアジア種として痛快な思いが残っている。

偶然だが帰途のウラジオストック空港で別の美しいブリヤート娘と隣合わせになった。北海道大学に留学している中に日本人学生と恋仲になって博多に住んでいるという。「札幌ラーメンよりも博多ラーメンが好き」と笑っていた。

縄文遺跡から発掘された人骨のDNA鑑定をするとブリヤートとほとんどが一致するという。このブリヤートは南進して九州まで及んでいる。北方系の遺伝子はブリヤートのものが色濃く反映されたとみていい。秋田美人の原形はブリヤートなのではないか。

■ブリヤートの北方系を駆逐した江南人の南方系

やがて中国の江南からブリヤートよりも高度の文化を持った渡来民が渡ってきている。稲作技術と鉄器を使用する民族である。これが弥生人の原形なのであろう。

DNA鑑定でブリヤートの次に多いのが江南人のものである。不思議と朝鮮半島に人たちのDNAは少ない。朝鮮半島で最初の統一国家となった古代新羅王朝と古代日本の関係は薄い。神話時代の出雲国が新羅と交流があったという程度にとどまっている。

江南人は中国でも異種といえる。東南アジアから北上してきた南方系であろう。背が低く、黄河流域を祖地とする長身の漢人とは趣が違う。日本人の遺伝子が持つ「二重構造モデル」は、弥生人と縄文人の同化、混交によってもたらされたと言っていい。これが古代日本人の原形になっている。

大和朝廷以降は朝鮮半島から先進的な文物が日本にもたらされた。百済などからの渡来民も増えている。だが、下層の庶民が持つ遺伝子の「二重構造モデル」を大きく変えるには至らなかったのであろう。むしろ朝鮮半島の遺伝子は上層の支配階級にとどまり、文物の影響ほどには広がりがなかったと私はみている。DNA鑑定で朝鮮系が江南系より下回る謎は、こんなところにあるのではないか。

その意味で仁徳天皇の陵の発掘が必要と思うが、万世一系の天皇家を冒涜するものとして許されていない。民主党政権も逡巡するのではないか。

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