モスクワだより

山田 みどり


売れる高い化粧品


二月は普通の月よりたつた二−三日しか少なくないのに本当にあわただ しくもう三月?と言う感じ。一月の延長のような浮ついた何の実績も残 らないまま過ぎる無駄な月の様に何時も感じるのです。
やはり昔から言われて居るように「二・八」はいろいろな面で業績の残 らない月なのかしら・・・。

それにしても今年のモスクワは馬鹿陽気、毛皮を必要とした日が二−三 日しかありませんでした。マイナス30度の日が一日だけ、あとは0度 をはさんで温度計が上下しておりました。雪も少なく、多分”雪掻き車” の出動手当ても節約できたようです。これで、おせつかいのようですが、 市の財政も少し暖かいのでは、と思つております。

道も凍らないし、すべつて転んで足を折つた人も少なく、もしこのまま 春になれば毛皮やさんや骨折医院以外は、多少喜ばしい冬だつたのでは ないかと思います。
でも、モスクワは五月までは雪が降る可能性がありますので油断大敵。

冗談はともかく景気は多少良くなりつつあります,高級フイトネスクラ ブの会費が何と一年で2800ドル。そこに5000人の会員がおり毎 日昼間でもほとんど満員。この2800ドル払える人たちは何時働いて この会費を払うお金を稼ぐのでしょう、と時々首をひねっています。

ここにはあらゆるサービスがあります。ただし、女性の特別サービスは 残念ながらありません。しかし女性会員も多く、クラブの中にある美容 サロンは、日本の高い化粧品を使って美容サービス。
多分、経営者は最初はあまり売り上げを当てにせず、なんとなく美容サ ロンを始めてみたら、何と昨年一年の売上が280万あつたとか。

化粧品会社は、ロシアなんかでこんな高い化粧品が売れるものなら売つ て見ろ、となんとなく人任せにしていたようですが、余り売れるので黙 つていられなって、ついには自分の所との直接契約にしたいとゴネ始め たそうです。

何故”高級化粧品”と書かなかつたかと言いますと、値段は高いが余り 日本では有名では無いからです。困るのはこの化粧品はこんなに高いの だから「日本ではさぞ有名でしょう」と聞かれる事です。

事実、私もモスクワで始めて知つた化粧品でした。この様な化粧品を買 う層が増えてきています。私も日本に帰国するときに自分も使つた事の 無い資生堂の7千円のクリームを頼まれます。
私の教えている学生に300ドルあつたら何を買うか、の質問にリーバ イスのジーンズや、やはり化粧品でした。男性はナイキの靴などです。

3Kと言われたクワルチーラ、アパート、カー、電気製品はもう行き渡 つたのでしょう。円安で日本の経済にばかり不安の目を取られている間 に何時の間にかこちらの方が進んできた様です。


新しい日ロ関係の再構築


ロシアのペテルブルグは大変良い所です、冬でも周囲が川に囲まれてい ますので、モスクワより寒いのですが、帝政ロシア時代にピヨトール大 帝が、バルチック海への出口として西欧から建築家を招いて「ヨーロッ パへ向けて開かれた窓(詩人プーシキン)」を目指して作った街の面影 を残していて大好きです。

プーチン大統領は、この地の生まれ。来年は市政三百年で、今、大工事 をしております。こちらでは来年はロシアにおける「日本年」になるの で、今年の暮れか、来年始めには、日本から小泉総理が来られるという 噂があります。小泉訪ロとなれば、モスクワやペテルブルグで小泉・プ ーチンのトップ会談が行われのでしょう。

鈴木宗男事件で日ロ関係が冷え込んでいますが、小泉訪ロによって新し い日ロ関係が再構築されれば良いが、と願っています。

私はモスクワやペテルブルグで華道教室を開いていますが、「日本年」 の行事として池坊から家元が来ることになっています。ロシア人は花を 愛する国民です。家元の訪ロに合わせて私も一緒にモスクワ、ペテルブ ルグと回り、その後、ハバロフスク、ウラジオストーク、サハリンにも 行く事になつております。こんな文化活動が、新しい日ロ関係を構築す る地ならしになるのかもしれません。