モスクワだより(3)

山田 みどり
北朝鮮の美女応援軍団が日本で話題となっているようですが、モスクワ のロシア美人もなかなかのものです。美人の基準なるものは、時代と共 に変わつていますが、やはり美人は美人、誰が見ても美人と言うのは何 時の時代でも変わらないものだと思います。

ロシアに住むようになつてから、あちこち外国を廻りますが、何とロシ アにに美人が多いことか、私の教えている女子大学生も、試験中だとい うのに女の私が見とれてしまうほどです。彼女が何を答えたのか耳に入 らずに、思わず万点を付けた記憶もあるくらいです。

これが男の先生でしたらどうなるのかと思いました。本当に産毛の光っ た桃のような肌をして、ミロのビーナスの様に綺麗な鼻、焦点の合わな いグリーンの瞳、レズでない私すら抱きしめたくなるような女の子が沢 山おります。

日本から来た単身赴任の”小父さん社員”がつい落ち込んでしまう”セ クハラ”が分からないではありません。そこにいくと、その小父さん達 のつれ合いくらいの小母さんのロシア見物の団体は、個性がない同じ服 装で、リュツクを背負い、同じ帽子をかぶりバツグを斜めに掛けて運動 靴?を履いて・・・。

かの有名なボリショイ劇場の雰囲気も日本人が壊したと言われておりま す。ロシア語も英語もフランッス語も分からないその人達にとつては、 場内放送で写真禁止の放送があっても”馬の耳に念仏”

バレーの一番ピークの時にフラッシュの雨、これが最前列に座っている 日本人の団体です。この月、良い出し物があって、各国からボリショイ 劇場には人が集まります。女性は胸の開いたロングドレス、男性はブラ ツクタイとまででなくともそれなりにおしゃれです。中国人でも韓国人 でもここはそれを守ります。

その様な中で、日本の小母さん族がセーターにズボン、スニーカー姿で はひときわ目立ってしまいます。それを知らない他の国の人は、この人 たちこそが中国人と思つています。これは中国に対する偏見になります が、私は恥ずかしいのでもっぱら”黙秘”

日本大使館の人たちも同じ思いの様です。日本では、セーターにズボン、 スニーカーがブームでしょうが、せめて外国で劇場に行くスケジュール がありましたら、お荷物でも一枚正装用のドレス位トランクに入れて来 るくらいな心使いは相手国への礼儀と思つて欲しいですね。

小父さんたちもホテルに引きこもって、ひたすらロシアの美人から電話 が掛かるのを待つのを目的にした旅行は避けて欲しいもの。旅の恥はか き捨ては、外国には無い言葉と思い、外国での旅をもう少し違う面で楽 しんで欲しいものです。