ベルリン国際映画祭


2002/03/09

2月6日から17日までベルリン国際映画祭(ベルリナーレ)が開催された。 日本のメディアでもすでに報道されていることであるが、宮崎駿氏の「千 と千尋の神隠し」とアイルランドのポール・グリーングラス氏の「Bloody Sunday」が金熊賞を受賞した。ちなみに金熊賞(ゴールデンベア賞)とい う、ちょっと変わった賞のいわれはベルリンのシンボルマークが熊である ことによる。聞くところによると、ベルリンの語源はそもそも子熊 (Baerchen=ベルヒェン)から来ているらしい。

「千と千尋の神隠し」が金熊賞を受賞したことは、日本人としてとても嬉し い。日本のアニメはヨーロッパでもとても評価が高く、ドイツのテレビ番 組でもたくさん放映されている。セーラームーンはドイツの子供たちにと ても人気のある番組であるし、友達の中には「アルプスの少女ハイジ」や「み つばちマーヤ」を子供時代に見ていたという人もいる。最近では、マンガの ことをそのまま「Manga」という人がとても多い。日本のアニメがドイツで普 及している証拠だ。しかし、金熊賞以外にもすばらしい映画はたくさんあっ た。特に日本から出展された映画は面白いものばかりで、私の周囲の人々の 間でとても評判が高かった。今回は、ベルリン映画祭の中で印象に残った 映画をいくつかとりあげてようと思う。

日曜日に映画祭が終わるまで、私は映画浸けの生活を送っていた。10日間で 見た映画の数は33本。途中、仕事の関係で一日に1、2本しか見れない日が何 日間かあったが、それでも平均すると一日に3本映画を見たことになる。最 終日の前日は7本も見てしまった。しかし、毎日映画ばかり見るということ はあまり健康的でないと思わされた。なぜなら、このところ映画館をはしご していたため、きちんと食事をとる時間が無かったし、見た映画の映像と音 楽が頭の中に残っていて、夜は熟睡できない日が続いていた。正直言って今 もまだ、普段の生活に戻りきれていず、夜にはいつも映画館にいる夢を見て しまう、という状態だ。とはいえ、この現象は私だけではないようで、友達 も同じような事を口にしている。

第52回ベルリン国際映画祭は、「Acceptance Diversity」というコンセプトの もと、開催された。日本語では、「多様性の受容」と訳せるだろう。これは、 2001年9月11日のテロによって明るみに出された文化・価値観の違い、それを 芸術という手段によって克服することを明らかに意識している。また、映画 の内容での多様性をも意味している。映画の中には、日常のささやかな出来 事を扱ったものから、政治的色彩の強いもの、また歴史的テーマをドキュメ ンタリーでアプローチしたものからファンタジーのものまでと、ずいぶんと 多種多様な映画が全世界から出展された。その中から、特に印象に残ったも のを3つ紹介したいと思う。

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